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お知らせ
閉店記念日、元店主より
ご無沙汰しております。(元)店主、堀内愛月です。なかなか落ち着くことのできない日々が依然続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。こちらは2012年に東京都・国立市で開店した『名曲喫茶月草』を閉店してから、本日で丸2年になります。不思議なもので、今も、月草がこの世界の別の位相の何処かに残っているような気がしてなりませ... -
未分類
『月草夜想詩集』発売しました
このたび、『名曲喫茶月草』の閉店日(2020年12月12日)に併せて、堀内愛月(元店主)は、詩集『月草夜想詩集』を刊行しました。このことは、8年前に名曲喫茶を開けた時と同じく、自分が「成さねば」と思えた大きな挑戦であります(いささか大袈裟に聞こえるかもしれませんが…)。僕がこの『月草夜想詩集』をもっとも届けたいのは、「詩に飢... -
お知らせ
『名曲喫茶 月草』を閉店しました
こんにちは。『名曲喫茶月草』の店主、イツキです。今日は皆さまに大切なお知らせがあります。本日、2020年12月12日をもちまして、8年間営んできた『名曲喫茶月草』を閉店しました。コロナの影響と思われる方もきっといらっしゃるかもしれませんが、この閉店に関してはそれが理由ではなく、昨年の秋頃から決めていたことなのです。その理由... -
クラシック音楽
私の好きな本⑩『私の好きな曲』吉田秀和
1 グールド『ゴールドベルク変奏曲』との出会いクラシック音楽は幼少期の頃から聴いていた。モーツァルト『交響曲第40番』の幼な心を激しく突き動かすような音像、ベートーヴェン『交響曲第6番』を聴いた時、感情全体を包みこむ巨大な揺りかごにすっぽり入って、大きく揺らされた時のような、あの決定的な感覚を今でもはっきり思い出すこと... -
店主雑記
私の好きな本⑨『結婚式のメンバー』カーソン・マッカラーズ
「物語」には主人公なる者が不可欠です。これまでここに挙げてきた小説作品では、それは田舎に住む少年(『たんぽぽのお酒』)、高校を中退したばかりの16歳(『ライ麦畑でつかまえて』)、疲れた私立探偵(『プレイバック』)、人間の言葉を喋る犬(『ピーナッツ・ブックス』、戦場から命からがら逃れた兵士(『武器よさらば』)だったりし... -
店主雑記
私の好きな本⑧『呪師に成る〜イクストランへの旅』カルロス・カスタネダ
「わしにとって世界が不気味なのは、それがすばらしく、荘厳で、神秘的で、底の知れないものだからだ」(『呪師に成る』より)なぜ、人は「本」を必要とするのだろう。なぜ、人は熱心に本を読み、情理を尽くして好きな本のことを語りたがるのだろう。まるでそれだけが、自分をこの世界に存在させてくれると固く信じているかのように。まるで... -
店主雑記
私の好きな本⑦『プレイバック』レイモンド・チャンドラー
Playback(ヴィンテージ版)チャンドラー最後の作品ここまでサリンジャー、ヘミングウェイ、クイーン(さらにはスヌーピー)と挙げてきたので、バランス的にこの時代の米国作家はもう入れまい……と考えていたのですが、やはりこの人を外すわけにはいきませんでした。ハードボイルド・探偵ものの代名詞、フィリップ・マーロウ・シリーズを遺し... -
店主雑記
私の好きな本⑥『ピーナッツ・ブックス』チャールズ・M・シュルツ(谷川俊太郎 訳)
人生において、最初に読んだ本を憶えていますか?親に読み聞かせてもらった本ではなくて、誰かに「これ読んでみたら」と手渡された本ではなくて、自分で棚から選び取って読みこみ、「これが自分の根本を作った」と言い切れるような本。自分にとっては、『ピーナッツ・ブックス』がそれに当たるのだと思います。幼少期、数年住んでいた生家の... -
店主雑記
私の好きな本⑤『人生のほんとう』池田晶子
池田晶子である。その名を口にすると、30度曲がっていた猫背がしゃんと伸び、瞳孔が開き、世界がクリアな色合いに染まるのを感じる。足下は床が抜け、生まれ落ちる前から、そして生まれ落ちてからもずっと、自分という存在は「宙吊り」だったことを思い出す。怖い。でもこの感じはきっと「本当」に近い。『人生のほんとう』について何か書け... -
店主雑記
私の好きな本④『武器よさらば』アーネスト・ヘミングウェイ
ヘミングウェイは生涯を通じて猫たちと良好な関係を結んだふと、「好きな本について書いてみるか」などと思い立ち(誰に頼まれたわけでもないのですが…)本日も気ままにしたためております。過去ログを読み返してみたら、或る年代のアメリカ産小説が3回も続いていたことに驚きました。意識していなかったけれど、若かりし頃に摂取した「古き... -
店主雑記
私の好きな本③『たんぽぽのお酒』レイ・ブラッドベリ
6月になると、つい手に取ってしまう本がある。レイ・ブラッドベリ『たんぽぽのお酒』。長いこと読んできたから、冒頭パラグラフはすっかり憶えてしまった。久しぶりに唇に乗せてみる。静かな朝だ。町はまだ闇におおわれて、やすらかにベッドに眠っている。夏の気配が天気にみなぎり、風の感触もふさわしく、世界は、深く、ゆっくりと、暖か... -
店主雑記
私の好きな本②『十日間の不思議』エラリイ・クイーン
いちミステリファンの典型的な道程昔から、古今東西のミステリ/推理小説に目がなかった。ただ、自分が1日中推理小説を読みふけるような中学生に変化するまで、2段階ほどあったように思う。入り口の入り口は、小学生の時に図書室で読んだ大家・江戸川乱歩が著したご存知『怪人二十面相』シリーズ。おそらく、当時は(今も?)たいていの小学...