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店主雑記
私の好きな本①『ライ麦畑でつかまえて』J.Dサリンジャー
或る小説は人の性格を、そして運命まで変えてしまう(余談だが、古代ギリシアでは「性格は運命である」と固く信じられてきた)。無論、そうした作品は生涯においてそう出会えない。2、3冊も出会えれば僥倖だろう。『ライ麦畑でつかまえて』は僕にとって——おそらく人生で最初に出会った——人生を変えた(に違いない)1冊だ。白水社(白水Uブ... -
未分類
『月草夜想詩集』発売しました
このたび、『名曲喫茶月草』の閉店日(2020年12月12日)に併せて、堀内愛月(元店主)は、詩集『月草夜想詩集』を刊行しました。このことは、8年前に名曲喫茶を開けた時と同じく、自分が「成さねば」と思えた大きな挑戦であります(いささか大袈裟に聞こえるかもしれませんが…)。僕がこの『月草夜想詩集』をもっとも届けたいのは、「詩に飢... -
お知らせ
『名曲喫茶 月草』を閉店しました
こんにちは。『名曲喫茶月草』の店主、イツキです。今日は皆さまに大切なお知らせがあります。本日、2020年12月12日をもちまして、8年間営んできた『名曲喫茶月草』を閉店しました。コロナの影響と思われる方もきっといらっしゃるかもしれませんが、この閉店に関してはそれが理由ではなく、昨年の秋頃から決めていたことなのです。その理由... -
Tsuki-Kusa-Record
ドヴォルザーク「ジプシー歌曲より〜母の教え給いし歌」
『Tsuki-Kusa-Record』ラスト曲は、アントニン・ドヴォルザークが1880年に作った『ジプシー歌曲』から、おそらく最も有名な『Songs My mother Taught Me(母の教え給いし歌)』をご紹介します。まず、オリジナル歌曲の紹介から。お時間がありましたら、20世紀を代表するソプラノ歌手の1人、ネリー・メルバさんの素敵な歌唱をお聴きください... -
Tsuki-Kusa-Record
ヘンデル「オルガン協奏曲 第11番」
皆さんにとって「究極の1曲」は何ですか?のっけからかなり無粋な質問をしてしまった理由は、昨夜、稀代のクラシック評論家・吉田秀和氏の『私の好きな曲』(筑摩書房)を読み返していたら——この本は何度読んでも尽きることのない滋養がたっぷり含まれているので、ずいぶん長いこと愛読しているのですが——その冒頭で、吉田氏が「西洋音楽で... -
Tsuki-Kusa-Record
ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調」
もうずいぶん聴きなれた今でも、スリリングかつ融通無碍、かつチャーミングに感じるライブ演奏。しかし、それだけには留まらない。何処か遠くて遥かな場所にぐいぐいと引っ張られていくようなサイケデリックかつ遠心的なるベートーヴェン演奏。それがたった今、終わった。羨望と戸惑い混じり(たぶん)のばらけた拍手が室内に響き渡る……。あ... -
Tsuki-Kusa-Record
フォーレ「ピアノ三重奏曲 ニ短調」
7曲めはガブリエル・フォーレが晩年に書き上げた傑作「ピアノ三重奏曲 ニ短調」。今回も引き続き、筆者のごく個人的な話から。「いや、そういうのはもう良いから、楽曲の歴史的背景とか演奏家についてちゃんと書いてよ」そう思われる方も当然いらっしゃることと想像します(謝)。まずは僕が名曲喫茶を始めた経緯について少しばかり書かせて... -
Tsuki-Kusa-Record
ラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調 アダージョ・アッサイ」
今日からB面(室内楽篇)に入ります。6曲めはモーリス・ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」より第2楽章(アダージョ・アッサイ)。おそらくご存知の方も多い曲と思われます。ちなみに「アダージョ・アッサイ」でGoogle検索すると、まっさきに「のだめ最終回」と表示されるのですが……僕はまっさきにそれが出てくる理由を一応知ってはいるので... -
Tsuki-Kusa-Record
ショパン「3つの新しいエチュード」
『Tsuki-Kusa-Record』A面(ピアノ曲篇)のラスト曲はフレデリック・ショパンの「エチュード(新しい練習曲)第3番」。(※こちらの楽曲、最近Spotify/AppleMuicから削除されてしまったようです……(涙)。Youtubeなどで見つけ次第、改めてリンクを貼りますので、しばしお待ちを…。)今日はこの可愛らしい小品を小粋に弾きこなす、イタリアは... -
Tsuki-Kusa-Record
モーツァルト「ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調」
今日は拙プレイリスト「Tsuki-Kusa-Record」4曲め、モーツァルトのピアノ・ソナタより「第12番 2楽章(アダージョ)」について書かせて頂きます。アインシュタイン氏とゲーテ氏、かく語りきこのピアノ・ソナタ第12番がモーツァルトのキャリア史上、どういった成果に位置づけられているのか寡聞にして知らないのですが、あるいはモーツァル...